『エコビレッジ八ヶ岳 国際ミーティング』では、エリザベス・マクダーモットさん、ペネロペ・レイエスさん、糸長浩司さんと、3名のゲストをお呼びしています。今回は、この3名のゲストの皆様について、少し詳しくご紹介をしたいと思います。
アメリカからご参加いただくエリザベス・マクダーモットさんは、ビレッジホームズなどを手がけたマイケル・コルベッツ氏とともに、30年来、設計、建築、企画立案に携わってきたお方です。
ビレッジホームズとは、1981 年にカリフォルニア州デイビス市に建設されたエコビレッジで、27.5ha(68エーカー)の敷地内には約240戸の住宅があり、さらに、住民共有のコミュニティスペース、保育園や公園に加え、果樹園や菜園、コミュニティガーデンなども整備されています。ソーラーエネルギーの利用、食べられる樹木を中心に緑化された「エディブル・ランドスケープ」、自動車用道路と歩道、自転車専用道路を分離した道路設計など、環境共生型住宅として、約30年が経過した現在でも、注目を集め続けているエコビレッジです。エリザベスさんは、持続可能な設計の最前線において、周辺環境との調和をはかりながらもクオリティを確保し、さらに美的観点をも追求した功績が評価されています。
フィリピンからご参加いただくペネロペ・レイエスさんは、環境教育NGOハッピーアースの代表として、同団体を含むフィリピンの3つの団体が関わる「ピンティグ カビアオ エコビレッジ」の設立にも携わってこられました。
「ピンティグ カビアオ エコビレッジ」は、フィリピンのヌエバエシハ州カビアオに新しく設立されたエコビレッジで、環境と共生した持続可能なライフスタイルにシフトすることにより、貧困の緩和を実現することを目的としています。
また、グローバル・エコビレッジ・ネットワーク(GEN)の オセアニア・アジア代表として、UNESCOがGENと提携して行う持続可能な教育プログラム「ガイア・エデュケーション」にも深く関わり、「ガイア・エデュケーション」がプログラムのガイドラインをつくった「エコビレッジ デザイン エデュケーション(EDE)」コースの推進に尽力しています。EDEとは、エコビレッジを作るための知恵と技術、知識と世界観を学ぶ教育プログラムで、国連の「持続可能な教育のための10年」のなかでも重要な位置を占めています。
日本の代表としてご参加いただく糸長浩司さんは、日本大学生物資源科学部教授、NPO法人パーマカルチャー・センター・ジャパンの代表理事として、住民参加、エコロジカルデザイン、自然建築、エコビレッジ研究をテーマに、学内や神奈川県藤野で実践的なプロジェクトを行っておられます。
パーマカルチャー・センター・ジャパンは、神奈川県相模原市の藤野町で、「日本の風土に適したパーマカルチャーの構築と普及による永続可能なライフスタイル及びまちづくりの提案と実践」を目的に、農的な暮らしをもとに持続可能な環境をデザインするパーマカルチャーの実践に取り組んでいます。また、パーマカルチャー塾や様々な講座を通して、パーマカルチャーの普及にも力を入れています。糸長さんは、パーマカルチャー等の環境共生型の生活空間や地域づくりに携わるとともに、環境建築家として、エコロジカルな建築、まちづくりの研究、実践に携わっておられます。また、国内外のエコビレッジの研究を通して、これまでに世界各地の様々なエコビレッジを日本に紹介してこられました。
『エコビレッジ八ヶ岳 国際ミーティング』では、長年エコビレッジに取り組み、さらに世界各地のエコビレッジを見てきた、この3名のスペシャルゲストから、世界とつながるエコビレッジから、身近な暮らしのなかでの一工夫まで、広くお話を伺いたいと考えています。お楽しみに!
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